そもそも、会社は何のためにあるのかを考えたことはありますでしょうか?
会社の目的とはなにか。
その答えを正しく認識し直すところに、ブランド力を高めるカギがあります。
結論から申し上げます。
会社は、経営者もそこで働く社員も、その会社に関わる全ての人が幸せになるために存在していると考えています。
一方で、こういう考え方があります。
「企業は本業を通じて社会貢献をする。
利益とは社会に貢献したことの証しである。
多くの利益を与えられたということは、その利益を使って、さらなる社会貢献をせよとの世の声だ。」
これは経営の神様、松下幸之助氏の言葉です。
私は、この考え方に共感する一人です。
ここで注意が必要なことがあります。
それは、社会に貢献する会社の中で、社員も経営者もその犠牲者になってはならないということです。
つまり、企業とは本業を通じて社会貢献をする、そのために利益を出すことは必要なこと。
そのために、活用される存在として、従業員がいるわけではない、ということです。
会社は、社会に貢献することと、社員や経営者の幸せを両立させていく。そういう考え方をベースに持つべきと考えています。
アメリカ型のビジネススクールでは、「企業とは売上げと利益を上げることを目的とする営利組織」と教えているという話を聞いたことがあります。
一見すると違和感なく、聞こえます。
企業は利益を上げるために存在する、上場企業の社員は株価を上げるために働く。一つの考え方としては正しいように思えます。
しかし、会社の利益が上がったり株価が上昇したりした時に、あなた自身が幸せを実感したことはどれくらいありますか?
もちろん、それで報酬が増えれば、あなた自身の喜びとして実感することもあるでしょう。
利益が上がったことで一番喜んでいるのは経営者で、社員は一緒に喜んでいるようで内実それまでの苦労に疲弊しきっていたり、来期はそれを上回る予算の提示が来るであろうことに恐怖さえ抱いているのではないでしょうか?
20世紀を振り返って、史上最悪の競争の世紀だったと語る歴史家がいました。
人類史上かつてない大きな発展と繁栄をとげた世紀だった一方で、結果として生じてしまったのは「競争に勝つために人が使われ」「利益のために人が利用される」という姿だと思います。
言い方を換えれば、人の幸せが目的ではなく、人が手段化される結果になってしまった、ということです。
市場競争という戦場で、企業と企業の競争に勝つために社員を利用する姿が少なからず存在しているのではないでしょうか?
会社が利益を出さないと、社員に給料も支払えないし、そうでないと社員は不幸になる、ーーーと仰る経営者もいるでしょう。
もちろん、その通りです。
私が問いたいのは、社員の幸福と会社の利益、どちらを優先していますか?ということです。
21世紀に入り十年余りたった今、21世紀型の企業のあり方を模索しだしている会社も現れ出しているとは思います。
経営学者でもない私が、こういう話をすることに違和感を感じる人もいるかも知れません。
実は、企業のブランド力を上げるためには、社員が幸せを実感できる会社環境は不可欠になります。なぜなら、社員が幸せを実感できない会社が、「人や社会を幸せにする商品やサービス」を生み出すことはできないからです。
私が、他社との差別性ではなく、その会社の独自性に目を向けたブランディングを進めるのは、競争は人を疲弊させ幸福感を薄らせてしまうからです。
いつも多くの方がこのブログを読んでくださっていることに感謝申し上げます。ありがとうございます。
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