先日、広告会社の方とお話をしていて、その方から鋭いご指摘を受けました。
ブランディングは「その企業とは何か」を明確にするもので、広告が担うのは「その企業や商品をどのように伝えるか」なんだね、というお話でした。
このご指摘は、当たり前の話に聞こえるかも知れませんが、伝えるべき「何か」まで広告会社に提案を求めているケースは意外と見受けられます。
私が以前勤めていた電通では、その「伝えるべき何か」をお得意先と議論し決めていくような仕事を受ける場合がありました。私自身、そのような仕事ではファシリテーター(議論の先導役)として、企業の企画担当者や電通のプランナーと共に、時には新商品を企画したり、時には広告の骨子を決めるという業務を担いました。
企業規模が大きくなり、一つの商品・サービスに関わる人が多数になるケースでは、取り纏め役が社内にいないと、なかなか議論がまとまらず外部にその議論の先導を依頼するのは一つの方法として有効だと思います。
さて、広告会社にいた経験からお話します。
広告会社にとって、「その企業とは何か」「その商品の本質は何か」が曖昧にオリエンテーションされると、広告の戦略や施策を考えるのに非常に苦慮します。
生活者の価値観が多様化しどういう商品を出せば売れるかが分からない、社内の声が多く言い訳的に色々な要素を盛り込んだ、といったことが要因でその商品やサービスの本質的な価値が見えなくなるということが多いのでしょう。
それでも、この商品やサービスの本質的な「強み」を先ずは社内の人たちが理解し共有していないと、力が分散し「情熱の総量」が減少しますね。
ブランディングという作業は、まさにこの「その企業とは何か」を明確に決めることから始まります。
その「何か」が明確になっていない段階で広告を打っても、思うような結果が出ないのです。
広告施策は、その「強み」をどのように伝えていけば効果的かという、Howに力が注がれるべきなんです。
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